エンブロイダリーレースは、大型の専用刺繍機(機械長18メートル、針数1,000本)によって、生地に表糸と裏糸による機械刺繍加工を施して製造するレースのことをいいます。
編みレースに比較して、デザインの自由度が高く立体感のある豪華な表現ができるのが特徴です。
また、柄の新規製作・変更も比較的短期間で可能です。
コンピューター制御エンブロイダリーレース機
1.種類
一口にエンブロイダリーレースと言っても製造方法によっていくつかのバリエーションがあります。
(1)生地レース(オールオーバーレース)
生地をそのまま残したレースです。
(2)ボーラーレース
生地に針による刺繍加工以外にキリ(ボーラー)による穿孔加工を施したレースです。
(3)ケミカルレース(ギューパー、マクラメ)
生地に水溶性素材を使い刺繍後に生地を溶解し刺繍糸のみを残したレースです。
一見糸レースのように見えます。
(4)チュールレース
水溶性の生地とチュールネットを張り合わせた上に刺繍を施し、後で水溶性素材を溶解しチュールネットと糸のみを残したレースです。
(5)カラーチェンジレース
多色の糸を切り替えて刺繍できるカラーチェンジ機を用いたレースです。
2.用途
エンブロイダリーレースは次のような幅広い用途に使われています。
(1)インナーウェア (2)フォーマルウェア (3)パーティードレス
(4)カーテン (5)シートカバー
3.製造工程
(1)パンチング及び見本作成。
デザイナーが作成したレース図案は6倍に拡大され修正を加えた後、専用のCADシステムのディジタイザーに貼られます。マウスによってディジタイザー上の形状を拾うと、予め入力しておいた縫目間隔などのパラメーターを元にCADシステムが針を突く位置を決定し、刺繍機用の柄データとして出力します。この工程をパンチングと称しレースの良し悪し決定する重要な要素となります。この柄データはまず1mから4mの長さの見本用の機械にかけられ、できた見本は御得意先に提案されます。
パンチング
(2)機械刺繍(生産)
受注が決まりますと、生産用の刺繍機で刺繍します。この機械は幅18m、高さ4.5m余りある大型の機械で1,000本以上の針が一斉に作動し模様を作り出します。刺繍を載せる布は横にして上下二段に垂直に張りますので、約13.7m×1.1mの刺繍が一度に2反刺繍できます。最近は機械制御もコンピュータ化されており、布枠の位置決めも高精度で高速に行えるようになりました。
エンブロイダリーレース機による機械刺繍

(3)検査・補修・シャーリング・整理加工
刺繍されたレースは、糸切れ等による欠点があるか厳密に検査され、もし発見された場合はミシンで補修します。その後生地に残った浮糸をシャーリング機で取り除いた後、染色整理工場に送られ仕上げ加工されます。

検査 補修 シャーリング
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